何があったか
2026年10月21日、泉房穂参院議員とひろゆき(西村博之)氏が国会内で記者会見を開いた12。7月に政治団体を作ってから、2人がそろって具体的な中身を出したのはこれが初めてである。会見はひろゆき氏のYouTubeチャンネルでもライブ配信された3。
発表は大きく4つ。
- 首長候補の全国公募を始めた。締め切りは11月30日
- 候補に約束してもらう5つの政策
- 約束を守れなければ違約金1,000万円
- 支援第1弾として、東国原英夫氏と海老澤敬子氏
一方で、10月上旬に決まるはずだった正式な党名は、この日も発表されていない。名前は「ひろゆき&いずみ新党(仮)」のままだ。
「公認」も「推薦」もしない
まず押さえておきたいのは、支援の形である。2人は党として公認や推薦を出さない。政策が一致した候補を、ひろゆき氏と泉氏が個人で支援する2。当面は国政政党も作らない。泉氏は、統一地方選は無所属で出る人が多いので国政政党化を急ぐ必要はない、と説明した。ただし「状況が変われば変えていく」とも述べている1。
お金の支援もしない4。支援するのは、街頭演説やSNSでの発信、選挙戦略の立案などだ。ホームページ代などは2人が負担し、ボランティアとして運営する10。ひろゆき氏は「動けって言われたら動く」「手下として頑張ろうと思っています」と話した4。東国原氏に呼ばれれば宮崎に行き、家に泊めてもらって一緒に地域を回るつもりだという10。
5つの政策
候補に約束してもらう政策は次の5つ4。
- こども社会保険料ゼロ
- いじめ対策
- 生理用品の無償化
- 養育費確保・親子交流支援
- 動物との共生
全部を背負わせるわけではない。この中から、候補と話し合って「約束」の中身を決める。
8月の段階で掲げていたのは「生活費の負担軽減」「教育の充実」という方向性だけだった。それがようやく、首長の権限で手を付けられる具体的な項目に落ちてきた。
約束は「成立」ではなく「提出」
この仕組みでいちばん大事なのが、約束の中身である。候補が約束するのは政策の実現ではなく、予算案や条例案を議会に出すこと。しかも「いつまでに」を書く1。
泉氏の説明はこうだ。成立するかどうかは議会の問題なので、目標は成立ではなく提出にした1。首長が自分の責任で必ずできるところに線を引いたわけである。
約束を果たせなければ、違約金1,000万円を日本赤十字社に全額寄付する。中身は公正証書にする4。金額の根拠について泉氏は、公証人と相談した目安であり、首長として1年間で得て手元に残る額でもある、と説明した。「得たものは全額吐き出していただく」という意味も込めた1,000万円だという4。
8月にひろゆき氏がABEMA Primeで語った構想は「公約を1本守れなかったごとに1,000万円を党が回収し、自治体の市民に返す」だった。10月の形では、払い先が日本赤十字社になり、約束の中身も「提出」に絞られている。
支援第1弾は東国原英夫氏と海老澤敬子氏
会見には2人の候補予定者が同席した4。
東国原英夫氏は、12月の宮崎県知事選に立候補を表明している元宮崎県知事。日本維新の会の衆議院議員も務めた1。約束は、当選から1年3か月以内に次のものを県議会に出すこと46。
- 国民健康保険の「こども均等割」の無償化に必要な予算案
- いじめ対策の窓口の開設と、いじめに関する条例案
- 公立学校への生理用品の常備に必要な予算案
東国原氏は違約金について「僕は値切った」と明かした。最初に示された額は「べらぼう」で、宮崎県高鍋町で一軒家が買えるくらいだったという。知事になったら自分の報酬を下げるので、1年分で払える額にしてほしいと交渉した結果が1,000万円である。ひろゆき氏は「その話言うんだ」と驚いていた4。
宮崎県知事選には、5期目を目指す現職の河野俊嗣氏と、元県議の右松隆央氏も立候補を表明している7。
海老澤敬子氏は元文京区議。2027年4月に任期満了を迎える文京区長選に立候補する予定だ85。
公募の中身
公募は10月21日から11月30日まで1。対象は東京の特別区長をはじめ、全国の知事、政令市長、市町村長である9。書類選考と個別面談のあと、政策のすり合わせと約束の公正証書化を経て、支援する候補を決める。対象として挙がったのは、北海道や大阪府などの8道府県知事選、札幌市や静岡市などの6政令市長選、中央区などの特別区長選だ1。他の党に所属する議員も応募できる6。
泉氏はこの先の道筋を「ホップ・ステップ・ジャンプ」で示した。2027年春の統一地方選が「ホップ」、2028年の参院選と東京都知事選が「ステップ」、次の衆院選が「ジャンプ」64。12月の宮崎県知事選は、そのホップの前に来る最初の試合ということになる。
ひろゆき氏は出るのか
記者からは当然この質問が出た。ひろゆき氏の答えは「カードとして出るというのは捨てきれない」、ただし「出たいではない」65。
理由の説明がいかにも本人らしい。自分が勝っても所詮は全国1,700の自治体のうちの1つで、どこかの専従になれば各地の候補を応援する力が減る。さらに、この日は予定より遅れて来たと言い、「約束を守れないタイプではあるんですよ、性格的に」と笑わせた5。約束を守らせる仕組みの会見でこれを言うのだから、なかなかの度胸である。
次の都知事選についても「僕より優秀な候補がいるはず」と述べるにとどめた6。
8月末からの動き
- 9月4日、泉氏が参議院で立憲民主党の会派を退会した。泉氏は2025年の参院選に無所属で立候補し、立憲民主党の推薦を受けて当選、同党の会派に入っていた11
- 10月21日、キックオフ会見(この記事)
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7月の設立のときは、「首長を狙う」「公約を守らせる」という骨組みしか見えていなかった。今回、何を約束させ、守れなければどうするかが、ようやく具体的な形になった。
気になるのは、約束が「提出」で止まっている点だ。議会で否決されても約束は果たしたことになる。8月にこのサイトで取り上げたABEMA Primeの回では、つくば市長が「否決されたら実現できていないのと同じ、ぐらい言ってほしい」と逆に迫っていた。泉氏は「成立は議会の問題」と線を引いた。首長が確実に守れる約束にした結果、縛りは緩くなった、とも読める。
もう1つは、党名がまだ無いことだ。看板が決まらないまま公募が始まった。11月30日の締め切りまでに何人集まり、誰が選ばれるのか。最初の答えは、12月の宮崎で出る。
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政治団体「ひろゆき&いずみ新党(仮)」が統一地方選の首長候補を公募 “約束”不履行なら「違約金1千万円」(FNNプライムオンライン、2026-10-21) ↩↩↩↩↩↩↩
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東国原英夫氏「約束守れなければ1000万円」 ひろゆき氏&泉房穂氏プロジェクトに違約金、「僕は値切った」(J-CASTニュース、2026-10-21) ↩↩↩↩↩↩↩↩↩
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ひろゆき氏、自身の「出馬可能性」に言及 新政治プロジェクト始動、泉房穂氏は「政治家に向いている」(J-CASTニュース、2026-10-21) ↩↩↩
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「ひろゆき&いずみ新党(仮)」支援第1弾は東国原氏 議案未提出なら違約金1000万円(産経新聞、2026-10-21) ↩↩↩↩↩
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「ひろゆき&いずみ新党」、宮崎県知事選挙で東国原英夫氏支援…文京区長選挙では前区議(読売新聞オンライン、2026-10-21) ↩
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ひろゆき氏、政治批判から候補者支援へ転身 50歳前に「子供から文句言われる側」になる(産経新聞、2026-10-22) ↩↩