誰が・どこで・何を言ったか

2026年8月11日、ひろゆき氏が自身のYouTubeチャンネルで配信した約2時間14分の雑談枠。タイトルが「ひろゆき&いずみ新党(仮)を作ったよ。」で、視聴者の質問に答える形で新党の話が繰り返し出てくる。

これまでの発信は他媒体(ABEMA、ReHacQ、文藝春秋PLUS)への出演だったが、今回は自分の場で、聞き手の制約なく喋っている。そのぶん法律的な仕組みの説明が細かく、他の回では出ていない具体が多い。

このサイトでは新党を扱う区間のみを収録している。配信全体は人生相談などの雑談が大半を占める。

公正証書が「効く」理由を本人が解説

なぜ普通の誓約書ではなく公正証書なのか。ひろゆき氏は「違いを分かっていない人が多いようなので」と前置きして、法的な差を説明した。

僕らの応援を受けて受かった候補は、その公約をしないとめちゃくちゃ損しますという形にする

一方で、何でも公正証書にできるわけではないという制約も自分から挙げている。「1兆円払う」のような公序良俗に反する内容は公証人が認めない。そして公証人ごとに判断が違うため、実際には「応援する首長と、その地域の公証役場との話し合いになる部分はある」という。

差し押さえには法律上の下限がある

視聴者から「給料を差し押さえて生活は大丈夫なのか」という質問が出た。回答は具体的だった。

「全額吐き出させる」という表現がこれまで繰り返されてきたが、実務上は生活費分が残ることになる。

「状況が変わった」は言い訳として認めない

この回で最も踏み込んだのがここだった。視聴者から「公約を実行する途中で、よく調べたら非効率だった、別の方法の方が明らかに良かったと判明した場合でも、撤回するとペナルティを受けるのか」という質問が出た。

ひろゆき氏の答えは「はい。受けます」だった。

状況が変わってやれなくなりました、だとしても僕はやるべきだと思ってるんですよ。状況によってやらなくなったというのを許すと、結局そのやらない言い訳が簡単にできちゃうんですよね

「言わんとすることは分かる」としつつ、政治家が使ってきた常套句だから穴を開けない、という立場である。ただし例外の余地もわずかに示していて、東日本大震災やアメリカ同時多発テロ級の事態であれば「さすがに、というのを僕ら側で判断してもいい」とした。それ以外は「こういう事情があるからやりませんでした、を認めない」という強い姿勢で臨むという。

達成したかどうかの判定方法も語られた。「何々条例案を提出する」「こういった政策を実行する」という形で、疑義のない文章にする。 そうしないと公証人が公正証書にしてくれないため、結果として達成基準が明確になるという。運用は、期日に首長へ確認を送り、実行していればOK、していなければ請求に進む形になる。

議員では公約を守れない、という制度論

なぜ首長なのかについて、これまでで最も明快な説明があった。

議員って、公約を守ることができないのが当然なんですよね

議会が30人いれば当選しても一票にすぎず、法案を出しても29人が反対すれば通らない。国会議員なら300人の中の一票になる。「本人の努力とは無関係に、何も起こせないことが多い」。だから約束させても守れない。

一方、首長に約束させる内容は次の2種類に整理するという。

  1. 首長の予算権限の範囲内で実行できるもの — 例として「3人目以降の子どもに月1万円」を挙げ、この規模なら首長権限で実行できるとした
  2. 議会に条例案・予算案を提出するもの — 「子どもが生まれたら1000万円」のような規模だと、提案するところまでしか約束できない

金額の大小で、約束の種類が変わるという整理である。

公約はまだ決まっていない — 10月発表がリークで崩れた

「公約はまだ決まってないです。以上です」と本人が明言した。そのうえで、発表が前倒しになった経緯を説明している。

現在検討中として挙がったものが2つある。ひとつは3人目以降の子どもへの月1万円。もうひとつがいじめを見た教育関係者への通報義務を課す条例案で、「基本的にいじめって学校は隠蔽しようとする。黙認した場合はそれは法律に触れる、という形にしたほうがいい」と説明した。

政策の選び方についても方針を述べている。効果測定を前提にするという考え方で、「3人目に補助金も、効果がないと明確になったら違う少子化対策をやりましょうという形で政策を変えていく」。そして効果測定をするには政策を実行してもらう必要があるから、約束を守る首長が要る、という論理でつながっている。

選挙の勝ち方は「泉さんの担当」

視聴者から核心を突く質問が出た。「受かった後の話が多すぎる。現実は選挙に受かるのがめっちゃ難しいと思うが、必勝法はあるのか」

回答は率直だった。

それは泉さんの方が得意ですね。(中略)僕は逆に選挙を体験したことがないので、そこら辺のノウハウはありません

組織の作り方、会見や挨拶の打ち方、駅前に立ち続けることといった実務は泉氏のノウハウから出るという整理である。

なお、候補者の応募先はまだ用意されていない。「とりあえずまだ応募先を作ってないんで、頑張って作ります」とし、現状は泉氏のホームページ経由で問い合わせが来ていて、泉氏が実際に会っている状態だという。

運営者コメント

他媒体では時間の制約で流れていた部分が、自分の配信だと最後まで説明されている。特に公正証書が裁判を経ずに差し押さえへ進めるという一点は、この構想の実効性そのものなので、本人の口から仕組みが語られた意味は大きい。同時に公証人ごとに判断が違うという制約も本人が認めていて、11区や200超の自治体で同じ契約を通せるのかは未知数のままだ。

一方で、「状況が変わっても撤回はペナルティ」という方針には検討の余地がある。ReHacQで中室牧子氏が指摘した「提出だけして中身を伴わない候補が出るのでは」という懸念と裏表で、硬く縛るほど形式的な達成に逃げる余地が生まれる。10月の正式発表で、この文章がどう書かれるかが焦点になる。

そして選挙の勝ち方については、本人が「ノウハウはありません」と明言した。ここは完全に泉氏頼みであり、明石市民の会が当選後まもなく解散した前例と合わせて見ておきたいところである。

※本記事は上記動画の内容を運営者が独自に要約したものです。正確な発言は必ず元動画でご確認ください。